【博物館】日本の宇宙開発の中心「種子島宇宙センター宇宙科学技術館(無料)」リニューアル前訪問記

旅行

※本記事は2012年頃の内容となります

昭和感ある国内最大級の宇宙博物館

種子島に来る目的の一つと言っても過言ではない、「種子島宇宙センター」への訪問。広大な敷地ではロケット整備組立塔など、現役の大型建築物を近くで見ることが出来る上に、無料の宇宙博物館「種子島宇宙センター宇宙科学技術館」も目玉である。

昭和54年8月、JAXA 種子島宇宙センター内に、わが国初めての本格的な宇宙開発の展示館としてオープン。宇宙と人類との関わり、宇宙開発の未来と人類への寄与、人工衛星及びロケットの仕組み、打ち上げ及び追跡管制の状況などが展示説明され、無料で一般公開されています。国際宇宙ステーション日本実験モジュール「JEM」の実物大模型に入ったり、宇宙実験シミュレーションを体験し、宇宙の世界を体感してください。周囲には整備された広場や、ロケットの実物大の模型も設置されており、四季を通じ賑わっています。シアターでは、H-ⅡAロケットの打ち上げを大画面と大音響で体感できます。事前に予約すると、センター内の打ち上げ関連施設をガイド付きで見学できます。

https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10778
名称:種子島宇宙センター宇宙科学技術館
住所:鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永字麻津
営業時間:9:30~16:30
公式HP:https://fanfun.jaxa.jp/visit/tanegashima/
入場料:無料

種子島宇宙センターは970万平方メートルあり、敷地がそこそこ広い。自家用車で敷地内に入り、各所へ自分で巡るスタイルである。その一角に宇宙科学技術館はあるのだが、館周辺には広大な芝生丘陵が広がっており、HⅡの実物大模型などが展示してあるとともに自由に散策できるようになっている。海が目の前まで迫っているので、やや幻想的な雰囲気を味わえる。

なお、建物自体は昭和に建造され、展示物の多くがかなり年季が入ったものになっている。一部の展示は順次最新のものが投入されているが、正直昭和感を感じるものが多い。逆に、古すぎず新しすぎず、丁度よい塩梅のノスタルジック展示がメインと考えて良い。

駐車場も一部はこのように青空駐車場に誘導される。

館内には種子島スペースセンターの全体模型があるが、かなり古くここでも昭和を感じてしまう。

とは言え国の重要宇宙施設なので、有名な展示物も多い。例えば、教科書にも日本の宇宙開発の例として良く取り上げられている「宇宙メダカ」。向井飛行士によってISSにもたらされたメダカだが、その子孫が現在も飼育されていたりする。

正直かなり地味だし水槽の様子も床屋においてあるような雰囲気で宇宙感はイマイチだが、この低予算感が逆にNASDAらしく非常に良い。

インタラクティブな展示や模型類は控え目な代わりに、額縁や写真の類は非常に豊富。

館内には勿論ギフトショップもある。脱力系のアイテムが心なしか多い気がする。

オールディー感あるメイン展示エリア

この博物館は2017年にリニューアルされ、全体的に展示内容が刷新された。とは言え古い展示物ならでの良さもあるので、改めて振り返ってみたい。

展示については、筑波のJAXA展示よりも密度が高い。様々な衛星や機器のモックが所狭しと並べられている。

パネル展示に至ってはノスタルジーのオンパレードで、ミールやサリュートが現役の時に作成されたものがあったりする。「※ミールは2001年に運用を終了しています。」などの文言がライブ感を感じさせ、非常にエモい。

月模型と降り立った探査機の模型も、手作り感があって良い。

黒背景に白文字という昭和感ある演出の展示も近年なかなか見ないものである。

歴史の泡と消えた各種計画についても、残像レベルで残っているので宝探し気分で探してみていかがだろうか。

日本特有のエスニック要素をやたらと混ぜてくる展示も見どころだ。

また日本の歴代ロケット模型の展示もしっかりしており、恐らく国内では一番の規模ではないだろう。

Nロケットの一部のブースターがあらぬ方向を向いていたりするが。。

無論、各国の主要ロケットも展示されている。

目玉は歴史的エンジンの展示

LE-7

数ある展示の中でも目玉はこのLE-7エンジンの展示だろうか。二段燃焼サイクルが特徴の日本の威信を掛けて開発されたロケットエンジンだ。

液体水素ターボポンプ。カットモデルは構造理解に役立つ。

液体酸素ターボポンプ。

MB-3エンジン

N-Ⅰロケットの一段目エンジン。1969年に糸川ロケットが日本初の人工衛星投入に成功した後、色々あってアメリカの技術で開発された国産液体ロケットエンジンとなる。オリジナルはアメリカのデルタソーロケットのエンジンだ。燃料はケロシン。燃焼器はIHI製。結果、1975年にN−Ⅰは打ち上げに初成功する。

ドンガラなど

その他、旧NASDA時代のロケットを中心として展示が多数。そこそこの近さで観察できるのが本博物館の良いところ(悪く言えば雑)なところだろう。

総評

博物館おすすめ度:★★★★★

国の施設なので、納税者への事業理解促進を主眼としている。なので基本的に全て無料。当時は参加出来なかったが、当然無料の職員ガイドによるツアーが日に何回か実施されているのでこちらは必ず参加したほうが良い。見れる箇所が大幅に増え、移動もバスが準備されているので良い休憩にもなる。

種子島に来る事はほとんど無いだろうが、訪れた際にこの博物館に行かないのは勿体ないので是非行く事を(夏であれば涼みに)オススメする。基本全てタダなので

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