完全に下北沢に溶け込んでいて初見だと発見困難
135酒場である。
戦後の闇市から続くディープ空間が消えたと思ったら、下北沢にはまだまだ多くの地下ダンジョンが残っていた。この「135酒場」もそんな下北沢地下の一つなのだが、ざっくり言うと「安くて美味い中華」が食べれる地下ダンジョンなのである。
135酒場自体は別に隠しているわけでもなく、普通に営業している飲食店なのだがとにかく入口が分かりづらい。駅から2分ほど、マツキヨの横に地下への入口があるのだがとにかく下北沢の街に溶け込みすぎてどうしても素通りしてしまう。看板も出ているが、逆に都市迷彩かと思うほどの擬態である。
この店舗は少なくとも2009年頃までは「らくど」という居酒屋だった模様。地下2階分ほどの長めの階段を下に降りる。地上に最も近い踊り場に灰皿が設置してある。地下階段で喫煙するというトリッキーな喫煙所だ。
地下に降りるにつれ、だんだんと薄暗くなってくる。
カメラの補正で明るくなっているが、シャッタースピードが長くなっているだけなので実際はかなり暗い。そして下に行けば行くほど油の匂いが鼻を突く。
店名:135酒場
住所:〒155-0031 東京都世田谷区北沢2丁目13−6
営業時間:10時30分~5時00分
公式HP:無
メニュー例:ランチ650円〜
喫煙:階段地上付近に灰皿設置
ちなみに、株式会社135が運営する都内に沢山ある135酒場との関係性は不明。株式会社135のHPには運営店舗として下北沢店はリストされていなかった。冷静に見ると地上看板の写真も怪しい。
平日11時半頃に着席。店内に先客はいない。
先述した通り、写真だと普通に明るいが露光が長くなってISO感度が上がっているだけで、実際は猛烈に暗い。そっち系のライブハウスかと思うくらい暗い。ましてや、昼晴れた日中からこの中に入ると2,3分は暗すぎて文字すらはっきり読めないだろう。(マジで)
数分経つと目が慣れてきて、店内がややはっきりと見えるようになる。暗黒中華飯店。
テーブル席がメインだが、10人くらい座れる座敷もある。縦に細長く妙に立体的な不思議構造の店内だ。また、地下深い為換気が微妙なせいか、すべての物が油ぎっている。水はセルフサービスだ。
ランチ「ニンニクの芽と牛肉炒め」価格700円
ランチメニューは650~700円でご飯おかわり可というなかなかのコストパフォーマンス。下北沢最強クラスのコスパを誇る「香港餃子酒場」の900円ビュッフェに並ぶレベルだろう。むしろ、常識的なランチであればこちらの方が遥かにおすすめだ。
そして数分で到着したのがこちら。布おしぼりなので、油感強めな当店では非常に助かる。
ご飯はデフォルトで大盛り目。
牛肉がやや硬かったが、熱々できたてでにんにくの芽もシャキシャキ、味付けも丁度よい塩梅で想像していた通りの味わいで美味な一品。濃すぎず、薄すぎずな王道のような味付けだ。量も程々に多く、腹八分目にピッタリなポーション。うまし。
玉子わかめスープは残念ながらほぼ味がしなかった。精進料理かと思うほどの無味感だが、味付けが濃いメインとなら相性は良いのかもしれない。ちなみに、この店の麻婆豆腐や担々麺はかなり辛いらしい。
店が暗すぎて長時間露光した結果ブレたザーサイ。かなり一口サイズ。
刻みネギが乗った冷奴。一口サイズ。
ご飯は炊きたてでまずまずな味。おかわり自由なのが有り難い。
卓上調味料は一通り揃っており、セオリー通りで占いマシンも完備。取り皿が沢山あるのもポイント高い。店内では有線が流れている。
総評
おすすめ度:★★★★☆
ある程度こういう店に慣れているか、油感が気にならない人であれば全く問題ないだろう。店は夫婦と思われる中国人が経営しており、ランチは普通のおばちゃんが対応してくれる。接客も普通に良く、干渉しない路線なのが丁度よい。
ただし、地下深くとにかく店内暗い、油ぬめりと匂いが無理な人は避けた方が無難だろう。
個人的には味がドンピシャだったので、取り敢えずランチメニューは制覇したい思いだ。
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