灼熱の「闇鍋」っぷりはもはや奇祭レベル:横田基地フレンドシップデー【2014年版】

イベント

横田基地のフレンドシップデーとは

横田基地の「日米友好祭」(英:Japanese-American Frendship Festival)とは、横田基地の一部を開放して実施される米軍主催の基地祭である。

日本最大クラスの基地祭となっており、東京ドーム550個分というアホみたいに巨大な横田基地の「一部」を使ったイベントということで規模感的にも関東圏最大クラスの祭りと言えるだろう。一応東京都内イベントなので、来場者数も尋常ではなく(十万人OVER/day)正に「超大型祭り」として有名である。

もちろん、米軍だけでなく自衛隊も全面的に協力しており、航空自衛隊の主要航空機が集結する。手軽に様々な飛行機を一度に見る事が出来るのが特徴だ。

もちろん、米軍機も多数展示(駐機)されているので、飛行機だけを見ていても余裕で1日はかかってしまうほどの濃密な展示内容となっている。

加えて、普段は入ることが出来ない滑走路を中から見ることが出来るので、展示されていない基地内の一般航空機まで見ようと思うと確実に日が暮れる。上記はエア・トランスポート・インターナショナル機で、国防総省向けのカーゴ輸送などを行っている日本だとどマイナーな航空会社機。

そして、何よりも面白いのは祭りの「闇鍋」っぷりだ。米軍イベントに自衛隊が追従するのは良くある事なので、陸上自衛隊の装備が展示してあっても特に違和感はないのだが、米軍側の良くわからない企画展示やイベントなどが盛り沢山。こちらは後述。

無論、航空機以外の展示も豊富なので飛行機に一切興味が無かったとしても十分に楽しめるのがミソだ。

という訳で、思い出深い2014年9月に実施された基地祭を例にざっくりとその内容をご紹介する。

横田の街が人であふれかえる日

フレンドシップデーは通常9時~20時で開催されるが、飛行機体験搭乗や人気グッズの確保、なるべく誰もいない状態での戦闘機撮影などで、とにかく早くに入場したい勢が非常に多い。

なので、この時も筆者は7時代には拝島に到着し、入場口となるサプライゲート(第5ゲート)付近にて並んだがその時既にこの有り様。

片側2車線の国道16号の基地側(路肩1mほど)に1列で並ぶという割とクレイジーな列整理が、増援の警視庁ポリスによって実施される。もちろん、基地側の日本人セキュリティは多いのだが全く数が足りないので基地外は基本的に警察が列整理を行う。

早朝に並ぶメリットとしては、逆に10時頃到着を目指すと、より長い行列で本格的に照りだした太陽光線を浴びながら1~2時間並ぶ事になるのでシンプルに非常に辛い。であれば、朝1のほうがまだ涼しく列も短く済むという訳である。列が落ち着くのは、例年14時以降頃といった具合。とにかく中途半端な時間に行くと最悪の結果になりがちだ。

ゲート眼の前のトヨタ福生店の交差点にはサミット並の警官たちが人の壁を作っている。とにかく警官が多い事でもこの祭りは有名。

入場直前のゲート前の図。当時はまだ荷物チェックがシンプルだったが、最近は割とガチ目なIDチェックに加え金属探知機やらで国際線に乗るくらいチェックが厳しい。これも列が長引く原因の一つである。ちなみに今年(2024年)のIDチェックに関しては、以下。

日米国籍で16歳以上の方は、国籍を証明する写真付き身分証明書(パスポート、運転免許証、マイナンバーカード、住基カードのいずれか)の提示が必要です。運転免許証の場合は暗証番号をご確認ください。

また日本国籍以外に関しては入場制限が厳しいし、怪しい雰囲気の物を持っていると普通に確認が入る。理想は、財布とケータイ、カメラくらいでほぼ手ぶらで行くのが良いだろう。

9時会場の基地内の様子。エプロン上にはまだ人がまばらでスカスカの印象を受けるが、数時間後にはここも人で埋め尽くされることになる。

朝タイミングであれば、人気の戦闘機もアングル選び放題で楽に撮影を楽しめる。

人がゾンビ状態で飛行機に乗ろうとする

人気企画の一つに米軍機への体験搭乗がある。大抵、基地祭で最も長い列を形成しているのは体験搭乗だ。今回は早期警戒管制機のE-3に搭乗できた。

当時はまだ話題に登っていたV-22オスプレイに人気が集中していた。こちらも体験搭乗が可能。

筆者は入場し軽く周辺を見た後、E3の列に並ぶ。10分ほど並んでタラップを登って搭乗出来ることになったのだが、その際に後ろを振り返ると既にこの行列。少なく見積もっても90分待ちくらいにはなっていただろう。

オスプレイの列も長くなっているが、機体が小さいのでまだ回転が早い。

この基地祭では、しっかり米兵にコミュニケーションを取って許可を貰えば色々な事が出来る。コックピットに座ったり、米兵といっしょに記念撮影をしたり、色々質問も可能。基本、現場の米兵は日本語が出来ないが適当にコミュニケーションは取ってくれる。

米兵はとにかく肉を焼く

フレンドシップデーは土日に実施されるので、本来は米兵にとってもオフな人が多いだろう。炎天下で長時間民間人相手に機体の紹介などを行うメンバーはキツいと思うが、出店で料理を提供する米兵はわりかし楽しそう。朝からビールを飲みながらひたすら肉を焼き続けるBBQ祭り状態が、基地の至る所で目撃できる。

横田基地は米国扱いなので、商品の支払いには円以外にもドルが使える。旅行で余ったドルなどは使ってしまっても良いかもしれない。若干ドル払いのほうがお得に買える可能性が高い。

無論、アルコールも大量に売っている。肉焼き米兵の大半は朝から顔真っ赤。

定番のBBQ肉は、コーンブレッドとトウモロコシが付いてくるパターンが多い。”多少”冷えたビールで流し込む。荷物について一つ付け加えると、場内はベンチ的なものが少ない。ただ空間は無限にあるので、昼食用や休憩用に折り畳みの椅子はあっても良いかもしれない

日本未発売エナジードリンクなどが大量に購入できるのも、このイベントの醍醐味。量が多いので持ち帰るのは一苦労だが、色々試せるので新鮮な体験が沢山できる。

ごった煮の闇鍋状態

一通り飛行機展示を見た後は、基地の細部に目を凝らしてみると何やら良く分からないものがそこら中にある事に気付く。

横田線は友好祭の期間出現する列車で人や物の輸送を担当。割と頻繁に運行しているので目にする可能性は高い。

祭りのBGMに関しては、基本に常に何らかのアメリカンな曲が流れている。無論、会場内ではDJが屋外テントでターンテーブルを回しまくっている。音はデカい。

しかし超巨大な基地である横田基地。少し離れた場所のステージエリアでは喧騒も少なく、航空自衛隊の音楽隊が演奏を行っていたり

ロック系バンドのライブなどがタイムスケジュールに沿って1日中行われている。

芝生エリアではK-9ユニットの展示も行われている。犬も暑そうだ。

カスタムカー展示が結構いい

航空機の次に展示量が多いのが、カスタム車両展示。ワイスピ的な車両から本格アメリカンマッスル、旧車系など幅は広い。

車両展示は、米兵車両だけでなく日本人の同好会グループの車両も多い。コンセプト的にはアメリカ系がメインだろう。

しっかり楽しもうとすると丸1日かかってしまうが、基地内は間違いなく米国の雰囲気なので無料で出来るアメリカ旅行と言っても過言ではない「日米友好祭」。

今回あまり触れなかったが(時間無くてほぼ見れなかったが)物販系も非常に魅力的。各飛行隊単位でオリジナルTシャツや謎グッズを作っており、その瞬間でしか手に入らないようなホームメイド米軍グッズがコミケ方式で出展されている。こちらも是非おすすめだ。

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