【実機見学】グラマン F14A「トムキャット」

航空宇宙

結局みんなこの機体に帰ってくる

アメリカの大抵の飛行機博物館にて展示されているF14。様々な機体の中で、特別な機体という訳でもないのでそれなりな扱いを受けがちだが、結局この飛行機を眼の前にすると一番テンションが上がるものだ。

本稿では改めて、F14の歴史を軽く紐解いてみたい。

基本情報

用途:艦上戦闘機
開発メーカー:グラマン
初飛行:1970年
生産数:712機
全長:13.9 m
翼幅:7.7 m
全高:3.5 m
展示場所:シアトル・Museum of Flight https://www.museumofflight.org/
展示機体備考:

F14A:シアトル・Museum of Flight展示機

まだ屋根が無い頃、現在のAviation Pavillionに展示されているF14A。当時は完全な青空展示だった為、まだまだ米国でもF14が「ありふれた機体」だったことを思わせる。

F14はそもそも、ジェネラル・ダイナミクスのF111Bアードバークが海軍の要求する空母運用能力を満たさなかったため、新たなコンペで採用された機体である。可変翼・2人乗り・双発で要求を満たしたグラマンの案が採用。その後1970年12月に初飛行と至った。

その後、海軍へのデリバリーは1972年に開始され、1974年には空母に配備された。

F14のA型については、アメリカ海軍に478機がデリバリーされた。

1975年から78年という短い期間であるが、パフレヴィー朝時代のイランに輸出された事でも有名だ。

大型のエンジンを搭載した事により、マッハ2以上での飛行と長い航続距離を誇ったF14であるが、国防費の削減により2006年までにF/A-18に順次置き換えられた。

F14Aは機首下にノースロップ製のAN/AXX-1 TVカメラセットを装備。電子光学的な索敵装置だ。

またF14最大の特徴である可変翼は、後退角20度から68度までの範囲で動く事により旋回時は後退角を小さくして旋回半径を小さくし、加速時は後退角を大きくして抵抗を減らす事が可能。

機体塗装は上面と下面で異なる。マーキングはVF-84″ジョリー・ロジャース“時代のものとなっている。

武装に関しては、固定武装として機首脇にM61 20mmバルカン砲を搭載。

ミサイルではサイドワインダーやスパローと言った一般的な空対空ミサイルから、AMI-54フェニックスのようなほぼ専用兵装まで幅広く対応。もともと純粋な戦闘機として開発されたが、能力に余剰が合ったため対地戦闘が可能なよう改修、爆弾を搭載した機体もあった。

AIM-54フェニックス空対空ミサイルを搭載したF-14は、空中早期警戒機レーダーの支援のもと空母機動部隊から100マイルの距離まで、同時に最大6機の敵機を迎撃、交戦、撃破することができた。

この博物館のF-14はニューヨーク州ベスページのグラマン工場で製造され、1977年に海軍に引き渡された。VF-84(”ジョリー・ロジャース“)、VF-101、VF-41、VF-74、VF-11、VF-51での任務を含む。ネバダ州の海軍打撃航空戦センター(NSAWC)で飛行キャリアを終えた。2001年11月の退役時、トムキャットは4,958飛行時間と1,188回のカタパルト射出を記録。

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