ハーレーが生み出した名単気筒レーススポーツマシン
100年近く昔、アメリカではインディアンやエクセルシオールが、ハーレーとバイク界においてしのぎを削っていたと言われる。インディアンの大型Vツインがレースシーンを席巻していた中、この小型のシングルハーレーが満を持して登場した訳である。
1920年代なかば、禁酒法とアル・カポネと大恐慌の時代、この100kgを切る機体はパワーウエイトレシオに優れ、レースシーンで大活躍。シングルトラックやダートトラックでも強かった。
完全にレストアされたこの機体はエンジン周りも美しく、100年前のカッコよさを現代に伝える。
全体的にタンカラーで統一されている中、タンクの赤いラインとハーレーロゴ、そして全体的な曲線美が美しい。
■スペック
モデル名:Peashooter メーカー:ハーレー・ダビッドソン 生産年:1928 気筒数:1 排気量:350cc 重量:215ポンド(約98キロ) 最高速度:N/A 馬力:N/A
ギアボックスは3段変速のハンドチェンジ式。この機体に備わるリジッド・レーシング・フロントフォークはオプション。ハンドリングもかなり優れていたという。
ほぼ完全にレストアされている。サドルシート部分も新品のレザーに取り替えればすぐに蘇るだろう。
シングルエンジンのとにかく細いボディは芸術品。
350ccOHVシングルから生えるエキゾーストパイプは10cm程度と極めて短い。足元はさぞ温かかっただろう。エンジンは完全むき出しで、バルブスプリングなどが完全に露出。フレームも心配になるくらい細いが、なぜか優美な佇まいを感じさせる。
着脱式シリンダーヘッドを備える。
この機体はオレゴンからニュージーランドに渡ってきた個体のようだ。
なお、かなりの人気モデルで現在でも2万〜3万ドルで取引されている。今後も人気モデルとして末永く取引されるのだろう。
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