アイルランド・ダブリン観光:「ケルズの書」見て「ジェイムスン醸造所」で飲みまくった話 前編

旅行

特にイメージがなかった国・アイルランド

時は2013年、

この時のエアラインはスカンジナビア航空(SAS)。筆者初の北欧系航空会社という事で快適な空の旅の期待を胸に抱き、いざ羽田に向かう。成田〜コペンハーゲン〜ダブリンというルートとなる。

SASのエコノミー機内食は超シンプルだった。特に可も無く不可も無く、といったところか。

深夜夜食として謎のエルフ食のようなビスケットが配給される。パサパサしている。

朝食はやや北欧感ある、妙に健康そうな外見のものが提供される。人件が保証された快適な北欧刑務所飯といった趣だ。無論、機内食なので健康な訳無いのだが・・・。

コペンハーゲン空港は超綺麗だが、謎の現代アートが多数展示してあり意識の高さを感じさせる作りとなっていた。ただ、非常に落ち着いた雰囲気だったので乗り換えも快適に行えた。

欧州路線でダブリン行きの飛行機に乗り換える。

ダブリン空港からは、比較的短時間のバス移動で市内に行くことができる。特に問題もなくスムーズにバスまで乗車。

ダブリンのトリニティ・カレッジに行く

ダブリンに辿り着いた後は、そのまま宿に直行しその日は終了。

宿は外見こそ厳ついレンガ造りだが、中は至って普通の三つ星ホテルといった感じ。

朝。外は快晴で、ホテル外観を初めてしっかり認識。

ホテル中には貴族の屋敷のようになっており、なんだか迫力がある。

秋口だったので、うっすら紅葉掛かっている朝のダブリン。謎の石像を目撃。異世界に来た感覚を楽しむ。

ギネスの街という事もあり、そこら中にギネスのロゴが見られる。

比較的朝から車の量は多く、車通勤している人も多そうだ。ちなみにダブリンの人口は120万人程と、ざっくり世田谷区と渋谷区の人口を合わせた程度である。平日なので、駅からは沢山の通勤客が降りてきていた。

ダブリン市内はそこまで高い建物は無いが、なんとなくイースト・ロンドンのような雰囲気の中にもモダンな建物がチラホラ見える。全体的に綺麗で、整然としている印象を受ける。

駅に入ってみたが、通勤客でごった返していた。新聞の回収かごはロンドンでもあまり見かけなかった独特なもの。

ホテルからトリニティ・カレッジまでは徒歩で移動出来る距離だったので、そのまま徒歩移動で向かう。

ダブリンの飲み屋街テンプル・バーの東側にあり、広大な公園が特徴。ヨーロッパの大学なので、どこまでも勝手に入れる。

ヒルガオ?が沢山咲いていて、アイルランドらしい曇天ながらも飄々とした雰囲気を楽しむ。これがまさにダブリンの空気だ。

大学を適当に散策する。朝なので人はかなりまばら。ダブリン大学トリニティ・カレッジは言うまでも無くアイルランド最古の大学で、創設は1592年まで遡る。ちなみに創設者は時の支配者、イングランド王エリザベス1世。またケンブリッジ大学にもトリニティ・カレッジがあるので若干分かりづらい。

で、目当ての「ケルズの書」が展示されている「トリニティ・カレッジ図書館」にたどり着く。外観は特に変哲もない18世紀の建物だが、この中でアイルランド国宝の「ケルズの書」と「ロングルーム」を見学出来る様になっている。ご覧の通り、朝なので誰もいない。

この建物については完全に観光地となっており、観光地っぽいポスターが貼ってあったりする。とは言え大学内なので、あくまでも控え目な露出に留まっている。サイン表示なども最低限だ。

図書館見学までやや時間があったので、しばらく構内をぶらぶらする。ヨーロッパの中ではまだ「比較的」新し目な部類に入る大学・建物だが、それでも400年以上の歴史ある大学なのでそれなりに重厚感を感じる。とはいえここはアイルランド。イギリスではないので、どこか牧歌的な雰囲気が漂っている。

構内も程よく緑化されていて、人口密度も低めなので特に気張る必要もなくただだらだら出来る。なお、他にも図書館がいくつかあり、観光客でも入れる図書館があった。

朝から勉強している学生が何人かいた。偉い。

学内の男子便所はこんな感じ。清潔ではある。

と、しばらくすると何処からともなく観光客が出現しており、図書館の前に列を形成したので並ぶ。

ロングルームとケルズの書見学はチケット購入が必要。時間ごとに枠の上限があるタイプなので、混雑している場合はすぐに入場することは出来ない。

また、展示はそれだけなのでサクッと終わらそうと思うと終わってしまう。折角なのでオーディオガイドを借りてじっくり見たほうが良いだろう。

世界一美しい「本」

そして、早速「ケルズの書」を見学。ケルズの書が展示してある部屋はもちろん写真撮影禁止で、保護のため室内照明も極端に落とされている。おそらくアイルランドでも1,2を争うレベルの宝なので、世界の他の宝と同じく超厳重な保護下にあるのだ。かなり厳かな雰囲気だが、結構近く(もちろんガラス越しだが)から見学することが出来る。

ケルズの書は8世紀に制作されたラテン語の聖書で、極めて豪華かつ印象的な装飾が全体に施された「本」。三大ケルト装飾写本の一つとされ、アイルランド国宝に指定。キリスト教世界においてもトップクラスに重要な本だろう。文字は指輪物語のトールキン文字のようなインシュラー体で記されており、挿絵に関してもミニアチュールのような精緻さで表現されいる。合計680ページ。

特に不思議な挿絵は鮮やかで、顔料に黄金のような黄色や赤、緑、藍色などできらびやかだ。それでありながら、1200年以上前の本という事に驚く。装飾は異常な細かさで書き込まれており、まさに幻本と言って過言でない神秘的な一品。

ロングルームは写真撮影可

ロングルームは物凄く雰囲気あり、ハリー・ポッターの映画に出てきそうな雰囲気がある。実際に大量の本が収められており、20万冊に登るという。意外と外光が差し込んでおり、開放感がある。写真撮影可能なので、是非写真撮影を楽しんで頂きたい。

ロングルームの中央部分にはガラスケースに収められた様々な古書や写本が展示されていて、こちらも写真撮影可能。内容は全く読めないが、脇にざっくりとした説明があるのでなんとなくのイメージは可能。

土産物屋は結構面白い

(後編に続く)

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