【リマスター版】世界最強のロケット:デルタⅣヘビー

航空宇宙

2000年代初頭の最強ロケット

※本記事はリマスター版です

2017年現在、世界最強のロケットは一体なんなのだろうか。

かつて最強のロケットと言われたサターンVロケットが最後に打ち上げられてから、40年以上が経過。しかしながら、未だにそれを超えるロケットは誕生していない。

ただ、NASAは現在サターンVをも凌駕するロケット、SLS(Space Launch System)を開発中。主に搭載されるのは新型宇宙船『オリオン』で、月や火星を目指す予定だ。

そしてその『オリオン』をテストする際に使用されたロケット『デルタⅣヘビー』こそが、現行最強のロケットなのだ。

2014年12月5日の打ち上げ

ここで、デルタⅣヘビーが打ち上げられた際のライブ配信を振り返ってみたい。

2014年12月5日に、無人のオリオンカプセルを搭載したデルタⅣヘビーが打ち上げに成功した。場所は伝統のケープ・カナベラルLC(ラウンチ・コンプレックス)37。

 LEOへは29トン、GTOへは14トンの打ち上げ能力がある。

デルタロケット自体は、1950年代のロケット草創期から存在する最古参シリーズで、初代デルタロケットはNASDAの初期ロケット「Nロケット」の母体とも言える存在だ。

全長は73メートル、総重量は733トンにも及ぶ紛れもない巨人機。

サターンVが全長110mと規格外の大きさなのだが、それでもH-ⅡAロケットの53mと比べると遥かに巨大である事がわかる。

現在の総打ち上げ回数は9回。初飛行は2004年の12月と、既に12年以上が経過。

打ち上げの内訳は、なんと6回がNRO(国家偵察局)の偵察衛星と政府系のミッションが大半を占めている。

世界最強のロケットを使って一体何が打ち上げられているのか、というのは非常に気になる点ではあるが、NROの偵察衛星のため詳細は一切公開されていない。

しかしながら、この大きなペイロードを活かして世界最大級の衛星シリーズ『メンター』と呼ばれるスパイ衛星が宇宙に投入されている説がある。

LEOに29トンの投入能力があり、静止軌道には6.3トンの投入が可能なこのロケット。一説によると、メンターは直径100mにも及ぶ超巨大なパラボラアンテナを有する巨大衛星とも言われている。ISSがおおよそ109mx73mの大きさなので、いかに巨大かがわかる。

デルタⅣヘビーは最後の機体製造が完了しており、2024年にNROの衛星を打ち上げる予定。以後、後継機としてはヴァルカンに引き継がれる予定である。

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