オマール・シーがロンドンで子煩悩ぶりを発揮する『あしたは最高のはじまり』感想70点

映画

Netflixの『ルパン』シリーズで改めて脚光を浴びているオマール・シー主演の映画をアマゾンプライムで発見したので鑑賞。ばりばりのフランス映画と思いきや、その殆どはロンドンを舞台に繰り広げられる超子煩悩ハートフルストーリーだった。気軽にロンドンに行けない今だからこそ、見ていてロンドン気分を味わえる子育て奮闘記。

作品情報&あらすじ

原題:Demain Tout Commence
製作国:フランス(2016年)
日本公開日:2017年9月9日
監督:ユーゴ・ジェラン

南仏コート・ダジュールで観光客を乗せるヨットの仕事をしながら毎日を気楽に過ごすサミュエル(オマール・シー)。ある日彼の前に去年自分が一夜をともにしたという女性・クリスティンが現れ、自分が産んだサミュエルの実の娘という赤ん坊のグロリアを置き去りにする。自分で育てる自信も意思もない彼はクリスティンを追いロンドンに渡るが、クリスティンには会えず、仕事もクビになってしまう。途方にくれたサミュエルは地下鉄で出会ったゲイのベルニーの元を訪れ、彼からスタントマンの仕事を紹介してもらい、一緒にグロリアを育てる事になる。

それから8年後、ベルニーの協力もありたくましく育ったグロリアとともにサミュエルは充実した毎日を過ごしていたが、ただひとつグロリアに対しては母クリスティンが娘を置いて消えてしまったことを言えず、嘘をつき隠し通していた。そんな中、本物のクリスティンから突然、グロリアにメールが届く。

YouTubeより(https://www.youtube.com/watch?v=Rg3ZfTtDzT4)

やさしい世界

心がすさんだ時に観ることを強くおすすめする。そんな本作は、とにかくオマール・シーの魅力全開で、理想的なコート・ダジュールのシーンから一気にロンドンのカラフルな日常まで一気に進む。途中、赤ん坊のグロリアが一気に9歳になるのだがもはや時間の経過など関係ないと言わんばかりの、エネルギッシュなカットの連続でまるでミュージカル映画を見ているかのうような感覚に陥ってしまう。

映像もとにかくおもちゃ箱をひっくり返したようなカラフルさで、海が煌めく青いコート・ダジュールから国際色で溢れたロンドンと、この作品の色と舞台がピッタリ一致しているのが素晴らしい。オマール・シーは『最強のふたり』的なお気楽人間だがとにかく子煩悩で、これはこれで見ていて微笑ましい。一方のグロリアも見事に英語とフランス語を使い分けていてこの子凄ぇ・・・と感心しっぱなしになること間違い無い。

ちなみにちょい訳ありなお父さんと賢い娘の話は結構辛い内容になりそうな気もするが(「アイ・アム・サム」とか)、本作はその心配は無用であるので安心して欲しい。

この映画の舞台・ロンドンがかなり「かわいい」

あらゆる物語の舞台となるロンドン。今回の映画はフランス人の監督らしくとにかくかわいくポップに描かれている。特にショーディッチやサムたちが映画を見ている屋上など、イーストロンドンエリアが結構登場しており、当該エリア好きな人には特におすすめしたい映画となっている。ほぼネガティブな要素がなく、サムがグロリアに望んた楽しい毎日がそのまま映画となっているので、舞台から小道具に至るまで、すべてがかわいく表現されているのは見ていて楽しい。

オマール・シー好き、ロンドン好きなら見てみて損はない。とにかく元気な映画。70点。

公式サイトのマップが聖地巡礼に使えそう

日本語の公式サイトは結構凝った作りになっており、作品の世界観とマッチした優れたサイト構成になっている。なかでも必見なのが作中に登場したロンドンのロケーションマップ。これはそのまま「聖地巡礼」にも使えるだろうし、このマップを見ながらエアロンドン観光をしてみても面白いだろう。

公式サイトより(http://ashita-saikou.jp/about.php)

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