原点にして頂点。観ると精神が安定する『ワイルド・スピード』感想 85点

映画

今更だが、ワイルドスピードサーガが終局に向け、ストーリーが原点に立ち戻るというニュースを目にし、改めて一作目をアマゾンプライムにて鑑賞した。

作品情報&あらすじ

原題:Fast & Furious
製作国:アメリカ(2001年)
日本公開日:2001年10月20日
監督:ロブ・コーエン

「走っている時間だけ、オレは自由だ。」

若者たちを熱狂させる、大金を賭けた深夜のストリート・カー・レース。その中心で荒稼ぎをしていた凄腕のドライバー、ドミニク・トレットの前に、同じく天才的なドライブテクを持つブライアン・オコナーが現れる。2人はレースで競い合い、互いの実力を認め合うが、ブライアンの正体は連続強盗事件の捜査のために潜入した、LA市警の警官だった……全てはここからはじまった!!

https://wildspeed-official.jp/history/

全力で「コレだよ・・・コレ」と言ってしまいたくなる雰囲気

YouTubeより(https://www.youtube.com/watch?v=dcVsEj_ZU08)

映画は2001年という事で今となっては20年以上前という、もはや一昔前の年代ものとも言える時代感の作品である。しかしながら、全く古さを感じさせない(CGなどもむしろポップで目新しい)素晴らしい映像の連続でやはり傑作レース映画だと再認識させられた。またそれ以上に2000年頃の雰囲気が素晴らしく、観るとスッと心が落ち着く鎮静効果をもたらすような時代感はいつ見ても素晴らしい。『ジュブナイル』と並ぶ、あの頃は良かった、の筆頭映画と言えるだろう。(筆者世代観に基づく)

冷静に考えるとメチャクチャかっこいい映画

YouTubeより(https://www.youtube.com/watch?v=dcVsEj_ZU08)

この映画に出てくる多くの車が90年代に発売された車両をベースとしたカスタム車両であり、今となってはもはや骨董品クラスのものもある。しかしだ、冷静に考えるとメチャクチャカッコいい車ばかりではないか。ユーロ6など存在せず、EVのEの字も無い時代。シンプルに速さを追求したど派手なカスタムカーは、それぞれ本当に個性的で・・・さながら505iシリーズが全盛だったドコモケータイのようなバラエティの豊かさ、それこそこの時代の車のカッコよさの源なのでは、と思えるくらいだ。嬉しいことに日本車が多く登場しているもの非常にエモい。

YouTubeより(https://www.youtube.com/watch?v=dcVsEj_ZU08)

意外な発見だったのが、バイクが意外にもストーリーにしっかりと食い込んで存在感を出していたという事。はやり鬼カスタムされた日本車が主役という印象が、特に初期シリーズには植え付けられて居たのだが、スーパースポーツからオフロードまでしっかりと日本車がカッコよくしっかりと描かれていたのが新鮮だった。

物事がもっとシンプルだった時代=COOL説

YouTubeより(https://www.youtube.com/watch?v=dcVsEj_ZU08)

たかが20年前の時代の作品で、パッと見そこまで今と変わらない雰囲気のようにも感じる。ただ、この頃はインターネットもまだまだ日陰の存在で悪い面も全然浮き彫りになっていない時代。物事がずっとシンプルだったように感じる時代だ。そんな時代に「自由」を見出しがちだが、あながち間違っていないと思える。アナログとデジタルの狭間のような時代だったからこそ、よりcoolに見えてくるのかもしれない。

スープラが伝説化するのもわかる

YouTubeより(https://www.youtube.com/watch?v=dcVsEj_ZU08)

そして歳を重ねてから見た気付きとしては、猛烈な加速感の表現、そしてそのニトロの神に愛された男達が瞬間手にする自由というものは、実際に愛車を手に入れ加速した時にのみ感じられる「自由」そのものだったという事を理解出来た点である。これも単に第三者視点で見るか、キャラクター達に移入して見るかで全く異なる視点だったのだ。

モーターライフを心の底からエンジョイする彼らが、瞬間自由になるになる様子を目の当たりにする。単純だが、純度の高い自由が分かりやすく描かれている。それが、このシリーズがヒットする最大の要因だったのかも知れない。

そしてそんな車たちの中でも、最後に登場するスープラ。これが本当にカッコいい。こんなにアツいシーンを見せられたら、スープラが伝説化するのもわかる。

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