ほぼ2年前、コロナウイルスのパンデミックにより突如としてあらゆるイベントがストップしてしまい、未だに明るい未来が見えていない現在。
とは言えたった2年前までゲーム業界もブリブリに各企業がTGS「東京ゲームショー」に出展をしており、Beforeコロナ最後の開催となったTGS2019。実は筆者、このTGSにて「出展」しており、今年のTGSリアル開催を祈願しつつ改めてTGSについて振り返りたい。
TGSと私
▲幕張メッセ入り口のビルボードエリア、上段が同年のE3と同じ「DOOM」で、最下段はTES新作という「解っているな」感の高い光景。そして海外からの参加者と、コロナ前は本当に世界が一体化していたな・・・としみじみ感じてしまう1枚。
TGSについてだが、筆者は2005年頃より参加し続けていた。当時はもっぱら「メタルギアソリッド4」の話題で会場が大いに賑わっており、コナミブースも開幕ダッシュしても180分待ちが当然だった時代である。ただ、この頃は各ブースかなり凝った趣向の展示競争が激化しており、コナミも女教官に「教育」されてからゲーム体験できるなど、拘りの強い時代だった。
それからというもの、2014年頃までは基本的に毎年参加していたので、TGSにはかなりの回数参加した事になる。また2016年頃からは某ブースでの出展スタッフ側参加、メディア参加などで木曜、金曜辺りでの参加が増えていく。一般でプレイアブルブース3時間待ちなどを経験しているからこそ、プレスデー参加のありがたさを噛みしめる事ができたのも間違いない。(コンパニオン撮影など、プレスデーならフラッシュOKなどメリットは非常に多い)
日本ゲーム業界の全体的な地殻変動により大きく変化しつつある近年であるが、それでも2019年次は名だたる主要メーカーが参加しており、E3に比べてもまだ何とか「持っている」雰囲気があったのだ。パッとしないeスポーツ関連も含め、まだまだ進化途上といった空気があった。
主催者としてTGSに参加する意義
TGSには金を払えばブースを立て、主催者として参加する事ができる。TGSに参加したことある人なら解ると思うが、隅の方に細々としたブースが大量に存在する。ブースが売り切れる事は近年ほぼ無いので、事業を行っていて興味がある方は是非参加頂きたい。参加自体、コミケサークル出店並に簡単だ。
▲開場前なので、SEGA前など非常に人通りが少ない様子。というか関係者だけのはずなのにこの人の入り様。筆者は一般参加時代、プレス参加時代を経て金を払い、ついに主催者側参加となったので開場前の時間はすべて他ブースを巡る旅に使用した。開場前は、コンパニオンやスタッフが一列に整列して主催(ゲーム会社等)にアピール。無論、ゲーム会社自身がTGS出展を取り仕切るパターンは珍しく、たいてい間に代理店or制作プロダクションが入っているので、彼らは気を効かせてゲーム会社メンバーを招いてコンパニオンとの集合写真を撮影するのである。
ちなみに、ブースサイズに依存するが最小サイズで出展する場合、1小間20万で出展できる。
▲TGSの出展募集要項より
ちなみに、上記20万のブースで無料招待券を110枚まで事前に申請することができる。
当日販売は2000円なので、単純に換算すると220,000円分である。さらに、こちらはビジネスデーにも使用可能なので、非常に優秀な券である。当然、100枚も配りきれないので余る。恐らく殆どのブース出展者は券を余らせているのではないかと推察する。
ソシャゲ勢の本格的台頭
上記のマップに見られるように、「miHoYo」や「Google Play」のブースは年々徐々に巨大化していっており、海外勢はそもそも出展していなかったりと目立った変化が多く見受けられた。
写真だとまともに映らないが、上記写真だとトラス部分に3Dホログラムディスプレイファンが見える。このような小技自体に注目してみるのも面白い。
2019TGSといえばサイバーパンクだった
今回、2019年TGSにて注目が集まったのは何と言っても「Cyberpunk 2077」だろう。あのキアヌ・リーブスがまさかの訪問を果たし、(恐らく同じタイミングで会場には居た)あまつさえバイクに跨るというパフォーマンスまでサービスしたのは記憶に新しい。
コンパニオンの女の子も世界観にあったコスチュームで会場では目立っていた。衣装のTシャツは1枚づつ千切ったのだろうか。そもそもコンパニオンを見る、という行為自体久しく経験していないし、コンパニオンで稼いでいた人々も多くがコンパニオンを辞めたと聞く。コンパニオン業界は復活するのだろうか。
SIEステージ。恐らく小島秀夫のトークショーだが、いつもの通りヒデラジ進化系といった雰囲気か。案の定大人気で、立ち止まって見る気力はもう無くなっていた事に気付いた。人が多すぎる。
バンダイナムコブースは縁日的なブースデザイン。細かいタイトルが多く、目玉となるようなステージも分かりづらかったのでかなりインパクトに欠ける印象。
むしろ、天吊トラスに多数の謎LEDをくっつけて居たりと、ブース設計の方に目が行く。
白のチェーンパーテーションは一気に雰囲気チープにするから使わない方がいいだろう、などどうでも良い事に目がいってしまう。
番外編
巨大な看板が非常に目立っていたドイツ館。ツの時が何故かローソンクルーのあきこを彷彿とさせるが、そんな事はどうでもいいだろう。現地パブリッシャーとデベロッパーの紹介で、基本は担当者とじっくりお話、な空間。
こちらは恐らくクロアチアだったような、東欧のどこかの国から来たデベロッパー関係企業のブース。何も無いのが特徴、のようなブースでほぼ業界人の寄り合いのようになっているが、それでも情報交換の場としては大いに機能しているのだろう。
スペースチャンネル5がVRで復活した事も話題になったTGS2019。
オンラインでしっかり開催されていたとはいえ、2年間の空白があるTGS。
今年は復活なるのだろうか。他国の動向を見る限り、非常に難しそうではあるが、かつてあったゲーム産業文化の一端として、TGSについては折に触れてレポしていきたい次第である。
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