前回の記事:事前リサーチ編 https://moeginews.com/archives/892
今回から、ニュージーランドツーリング旅について本格的に書いていきたいと思っているのだが、写真や映像を見返しているとどうしても筆が進まないもの。とかなんとか言い訳しているうちに、本日(2023/01/19)ニュージーランドの首相が「もう無理っすわ(要約)」とのことで辞任するとのニュースが飛び込んできた。ちまちまニュージーランドの思い出に浸っているうちに、ニュージーランドはどんどん新しくなっていくのであった。
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今回は出発から現地到着までの模様をお伝えするのだが、ニュージーランド航空が想像以上いや期待通りに最高だったので空旅中心にお伝えしたい。
出発前の最終確認&装備について
2022/9/13
諸々の手続きを完了し、いよいよ出国の日となった。ここでざっくりと出国までのタイムラインを整理してみる。
- 出国1ヶ月前:計画起案、情報収集
- 2週間前:パスポート取得、航空券確保、ワクチン接種証明等準備
- 1週間前:NZeTA,NZTD等提出、初日の宿予約、各種装備買い出し
- 3日前:海外旅行保険申込み、パッキング準備
- 1日前:パッキング
今回で言うと、一番時間が読めなかったかつギリギリになったのが「コロナ接種証明」。職域接種で受けていたので、まさかマイナンバーと紐づけされていなかったとは思わず証明書類の入手が出発2日前とかになってしまった。一方、パスポートなどは申請からきっかり1週間で出来上がるのでスケジュール管理が楽。言うまでもなく、NZ側の各種申請は速攻かつ明快に処理可能なのでストレスは非常に少ない。
準備物
といっても特別なものはなく、通常のツーリングに撮影機材などを多めに持っていった程度である。前回の記事でも記載した通り、検疫(バイオセキュリティー)リスクと寒さリスクが高いためキャンプは完全に断念。これによりかなり身軽なパッキングとなった。以下、主要な持ち物を記載。
- バイクグッズ一式:ヘルメット、グローブ、革ジャン、レザーパンツ
- 着替え一式:特にユニクロの分厚いヒートテック系やワークマン靴下など
- 撮影機材:一眼カメラ、GoPro、各種バッテリー、ミニ三脚、ドローン(Mavicmini)
- アウトドア用品:ヘッド、コッヘル、ヘッドライト等
- 電子機器類:変換プラグ、iPad、携帯等々・・・
- みやげ:サキイカ
中でも革ジャン、レザーパンツ、冬用グローブは持っていなかったので奮発してHydoで一気に購入。Goproのバッテリーも予備を購入するなどした。ネタとしては、ツインリンクもてぎの「タイヤカスさきいか」を持参。もちろん税関で申告するつもりで持っていった。
最終的には無印良品のスーツケース、ドッペルギャンガーのターポリンリュック、そしてヘルメットの3点セットを担ぎながら移動する事になった。
ニュージーランドは成田から
東京からニュージーランドへは、成田からの直行便で行くことになる。とは言え、羽田でなく成田を選ぶ機会は今まで全く無かった為、久しぶりに成田エクスプレスを利用して成田へ向かった。
とにかくヘルメットが邪魔だったのだが、そこまで歩いたりした訳でもなく、逆にヘルメットを収容できる専用のリュックを買うのもアホらしかったのでこれが最適解かもしれない。傍から見たらアホっぽいが。2022年の9月平日ということもあって、成田エクスプレスはガラガラ。超快適な旅の出だしとなった。
向かう先は南半球、革ジャン着込んで飛行機に
成田空港へ1時間ほどで到着すると、まずは発券&預け入れへ。久しぶりの成田に感動しつつ、思った以上に人がいる。もはやポストコロナなのか・・と思いつつ計量器にスーツケースを置くと余裕の重量オーバー。今回はプレミアムエコノミーなので、21キロを2つまで預け入れることが可能。重量をリュックに均等にならしつつ、革ジャンが予想以上にかさばり入れるモノも無いので着込む事に。
なに、ここは9月の東京だが向かうは冬のニュージーランド。おかしい事なんて何も無いさ・・と己を納得させる。
ヘルメットはもちろん手持ちである。9月上旬、革ジャン着て手荷物はヘルメット。そんな出で立ちで空港を徘徊する。
およそ3年ぶりの海外旅行でかなり余裕を持って行動したため、ボーディングまで時間があまる。展望デッキ行ったりしつつ、腹拵えをしようとしたところレストランが全く営業していない。不二家があったので行きたかったが、ランチ営業で終了してしまったようだ。寿司系も全滅。仕方なく、唯一営業していた和食屋に向かう。これが最後だから、と言い訳して寿司とカレーとレモンサワーを無理に掻き込み(普通に美味かった)保安検査場に向かう。(④)
保安検査場では履いていたHydoのパッド入りジーンズが無事引っかかり(パッドを外せないので、脱いで確認させろとおじいちゃんに言われる)、ベルトコンベア抜けた先にある三つ折りパーテで区切られた空間でおじいちゃんの眼の前でパンイチになる。膝パッドだめだったのか・・としみじみ反省。やはり、保安検査場通過はスエット上下にクロックスに限るのである。
出国エリアにまだ喫煙室が沢山生存していることに若干の安堵感を覚えつつ、ニュージーランド行きのゲートに向かう。他のゲートはぼちぼち、程度の混み具合だったがニュージーランド行きは普通に混んでいた。プレミアムエコノミーは優先搭乗できるので、このような時も便利である。
そんなこんなで、革ジャン着込んでヘルメット片手にいよいよニュージーランド航空機に乗り込む。
ニュージーランド航空最高
ニュージーランド航空の成田線使用機材はB787。ビジネス、プレエコ、エコノミーのシート構成だがスカイカウチなる謎のシステムが存在し、ややミステリアスなサービスがあるのが特徴だ。あまりにも久しぶりの国外線なのでテンション高めに乗り込んでみると、なんと機内が濃い紫色一色に染まっており謎のハウス系のBGMがうっすら流れていた。海外すげぇ、と感動しつつ自分の席に付く。プレミアムエコノミーは2-3-2の構成なので窓側で隣がいなければかなりリラックスできる。そして足元であるが、非常に余裕があり楽。もちろんフルフラットとまでは行かないが、背はかなり傾けることができるので個人的には全く問題なし。(②)
ちなみにアメニティはこんな感じで、バブリシャスのような色の耳栓が印象的。
靴下、リップクリーム、歯ブラシ、アイマスクのセット。スリッパは別途あり。
早速映像を見始める。謎のマオリムービを見つつ、映画リストにトップガンがある事を確認。(④)朝食前にトップガンを機上で見るのが本旅行のサブテーマでもあったので、これで大願成就も近づいたと心のなかでガッツポーズ。
適当に映画を物色していると機体が動き出し、タキシングが始まった。そのタイミングで食事メニューが提供される。めちゃくちゃ美味そうである。(②)
飛行機が離陸する前に強制的に見せられる安全ビデオであるが、最後の方で「申告するか捨てるかどっちかにしろ、罰金は400ドルな」というやや脅迫的なバイオセキュリティーの映像にはついつい笑ってしまった。めちゃくちゃ本気じゃねーか・・タイヤカスするめいかは正直申告どうするか迷っていたが、正直に税関申告しようと決意した。ちなみに、税関申告書には「smoked squid」と記載した。(③)
無事離陸すると、宴の始まりである。まずは今まで一滴たりとも飲んだ事の無かったニュージーランドビールを飲む。それが「MAC’S MAGIC HOUR」である。(④)
これがまた非常に美味く、一気に2本空けてしまった。いわゆるIPAなのだが、飲みごたえがありつつも非常に飲みやすく、旨味的な何かが感じられた。日本でもよなよなエールなど飲みやすい大衆的なエールは沢山あるが、こちらのほうが遥かに旨い。ニュージーランドはいい国に違いない、そう確信した瞬間である。(①)
いい感じにアルコールを注入し、映画タイムに映る。「THE DEAD LANDS」というマオリ映画を選択。言語がマオリしかなく、字幕は英語である。想像以上にぶっ飛んだ内容の映画だったのだが、ニュージーランド入国前には是非見ておく事をおすすめする。特に、南島西海岸を探索する予定のある方は、この映画を見ておくとより楽しめると思われる。(風景的な意味で)(手がプルプルする)
ちなみにニュージーランド航空はドリンクオーダーは完全にパネルで実施可能。いちいちクルーが通りすぎるタイミングで映画を一時停止しなくて良い、最高のシステムだ。(③)ビール的には先述した「マジックアワー」「スタンラガークラシック」「スタンラガーライト」などがラインナップ。全部飲んだが圧倒的にマジックアワーが旨い。その他ワインやカクテルも豊富なので酒盛りには事欠かないだろう。
個人的にはブラッディマリーがしっかりと生セロリ入でいい感じにスパイスも効かせてくれており絶品だった。機上で飲むブラッディマリーがここまで美味かったとは・・・(④)
夕食・牛肉
そうこうしているうちに夕食タイムとなる。起きてください時間の機内照明は基本紫~ピンク系なので色がアレだが、ニュージーランド航空プレミアムエコノミーの夕食はこんな感じである。
①メインの牛肉は牛頬肉の赤ワイン煮込みにラビオリと野菜などが添えられたもの。肉の産地は不明だが普通に激柔らかでラビオリも硬すぎる緩すぎずの丁度いい塩梅だった。これに合わせるニュージーランド赤ワインは最高。
②サラダはナスにデーツやらそばの実やら健康そうな穀物とフェタチーズという意識高い系。普通に旨い。
③デザートは立食パーティーのデザートと言ったところでまあ普通。
④個人的に最高だったのがパン。旨い。しかも種類が4種類ほどあり無限に食す事が可能。CAさんもかなりパンを勧めてくるのでガツガツ行ける。最高。
食後にはしっかりお茶とチョコレートが配給される。大して揺れることもないので、ガンガン飲み物を注文できるのでありがたい。
一通り映画を見てトップガンも見終わったタイミングで、朝食が運ばれてきた。朝食は割りとシンプルめである。
NZ上陸、ついに検疫(バイオセキュリティー)へ・・
大量の酒とパンを胃袋に納め満足しきった状態で飛行機はオークランドに着陸した。
現地は朝の為人気もさほどなく、まずはバゲージクレームに向かう。国内線に乗り換えるのだが、ニュージーランドの往路では1回オークランドに着いたタイミングで荷物を回収、国内線ターミナルにて再度預け入れる必要がある。
スーツケースを回収したら、まずは税関申告へ。申請書に正直にサキイカ(smoked squid)と記載し、受付に見せる。
受付の女性:何か申告するものありますか
筆者:smoked squidです
受付の女性:・・・スーパーとかで買ったものですか
筆者:はい
受付の女性:NEXT!
以上である。現物を見せることも、それ以上聞かれることも、そもそもsmoked squidとは何なのかを聞かれる事もなく終了した。かなり拍子抜けではあったが筆者は考えるのを辞めて、税関エリアを後にした。
入国審査については完全に自動化。誰かと話したのは結局このバイオセキュリティーの時だけである。
空港ではsimカードなど販売されているが、クライストチャーチ空港でも入手可能の情報を得ていたので、一旦ここでは全てスルー。足早に国際線ターミナルから国内線ターミナルへと向かう。ちなみに、歩いても国内線ターミナルには行けるのだが、まあまあ距離があるので筆者的には無料シャトルバスをおすすめする。成田線は朝着なので、バスはガラガラ。建物外の目立つ場所にバスがいるので、後ろのドアから勝手に乗り込もう。
バイオセキュリティー等々で1時間位かかるのでは、と思っていた乗り換えも荷物受け取ってから移動、再度預け入れ含め30分程度で終わってしまった。時間を大量に持て余したが、やることが無いのでオークランド~クライストチャーチ間のゲートで1時間ほど待機する。暇。
定刻通りにクライストチャーチ便に乗り込み、そのままクライストチャーチへ。国内線はかなり混んでいた。
機内ではクッキータイムとキウイジュース的なものが出るので、それを頂きながら美しいニュージーランドの島々を見ながらほぼ遊覧飛行。登山目的であれば、このタイミングでかなり多くの山々が見れるので機体右側の窓席を選択すると良いだろう。
美しい峰々をくっきりと見ることが出来る。
1時間もすると機体は高度を下げ着陸体制に入るのだが、牧場に小さな点が見えてくる。これ、全て羊なのだがその多さに驚く。とにかく多い。
クライストチャーチ着
何事も無くクライストチャーチにたどり着く。本当に何事もなく荷物を受け取ってそのまま外へ。空港は文字通り閑散としており、他の乗客がどこに消えたのかやや不安になるレベルである。空港1階にvodafoneのデスクがあったので、30ドルくらいのsimを購入。iphoneを渡せば差し替えやアクティベーションは全てスタッフが対応してくれる。
初めてまともにニュージーランド人と話した場面となったが、カバレッジがやや不安なので色々聞いてみると、ミルフォードサウンドでも電波入るよ!とのこと。親切に天気予報まで調べて教えてくれた。初遭遇したニュージーランド人は親切だった。
抜けるような青空の下、どうにかニュージーランドの地に降り立つ。非常にモダンできれいな空港だが、第一印象は「無」。とにかく人が少なく音が無い。東京がどれだけ人が多くうるさいのか、ということでもあるが・・。こちらの写真奥にバス停があるので、まずはクライストチャーチ市街地までバスに乗る。
世界最高レベルに禁煙を推し進める国家なので喫煙者的には戦々恐々だったのだが、空港建物出て直ぐにデカくて立派でおしゃれな喫煙所が鎮座しており、なんとも言えない安堵感を覚える。この後、旅をしながら判明したのだが結構喫煙者フレンドリーな国家だった。それはそれ、これはこれって事か。
程なくしてバスが到着し、目的地を言い2ドル程度支払ってドナドナされる。(何故か運転手がクラシック音楽を大音量で流していた)
9/13 クライストチャーチ散策
本日宿泊のモーテルにたどり着くと(レンタルバイク屋におすすめされた宿)、荷ほどきも程々にクライストチャーチ散策、及びガス缶の買い出しに向かう。
季節感的には冬を想定していたのだが、最早ここは春、と言った雰囲気で桜も八分咲きで最高の散歩日和だった。とにかくどこに行っても人が少ないのが最高。
コンパクトな街だから大丈夫だろうとタカを括っていたのだが、ガス缶を売っているアウトドアショップまでは結局1時間ほどかけて徒歩で向かうことになった。流石に遠いので、その辺の道端に転がっていた電動キックボードのアプリをその場で入れて、乗ってみた。人生初電動キックボードだったが、この時期のクライストチャーチを楽しむには最高のツールと言えるだろう。
アウトドアショップはモールの中にあり、品揃え的には恵比寿のモンベルよりちょい広いくらいな雰囲気。ただNZにしかないレーションなどもあり興味深かった。他、シュラフ、テントからアイゼンやピッケルまで一通り揃っており、雪山登山装備も十分にここで揃える事は出来そうだ。
街を徘徊しながら、お国事情を勉強する。都市部ではバイク駐車は枠内であれば無料。置き方もこんな感じで縦置きする。バイク乗っている奴ほとんどいなかったが・・
丁度出発する3日ほど前に、エリザベス女王が死去。こちらは美術館であるが公共系の建物では遺影が飾られている場所が多かったような気がする。また、普通の一軒家でも国旗とユニオンジャックの半旗を掲げているお宅もチラホラ見かけた。思いがけないタイミングでコモンウェルスに来てしまった。
徘徊を終え6時ころに宿に戻り、さあ飯どうしようとなったのだが時差ボケで眠かったので、近所にあったウェンディーズにて適当に済ます。もちろん店はガラガラ。こんなに人少なくて大丈夫なのか本格的に心配になってくるレベルである。味はそんなに美味くなかった。
そしてこちらが買い出しで購入した物品。MSRのガスとNZ産のインスタント食、Kathmanduのキャップ。以上。何故か宿の冷蔵庫に牛乳が入っていたので、水分補給はその牛乳で済ます。(お茶用と思われるが、何故かニュージーランドでは宿の冷蔵庫に牛乳が入っていた・・・)
クライストチャーチで宿泊した宿
クライストチャーチで宿泊したのは「The Grande Boutique B&B」。レンタルバイク屋からオススメされた宿だ。筆者宿泊時は中国系の妙齢夫婦が切り盛りしており、奥さんがカウンター、旦那さんがキッチンで腕をふるっていた。
特色としては、コロニアルな雰囲気のビクトリア朝風の建物と部屋、キングサイズのベッド、そしてジャグジーバスだろう。モーテルではないので室内にキッチン等は無いが、基本的なものはすべて揃っている。この時は1泊130ドルとややお高めだった。(朝食込み)
真新しいPanasonic製のエアコンで暖房をガンガンにかけながら、そのまま即寝落ちしたのであったーーー。(9/14 完)
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