【ドゥカティ】ポールスマート1000LEレビュー

バイク

スポーツクラシックの決定版

ドゥカティが2005年頃からツインのスポーツクラシックを販売し始め、当初は「1000S」というマシンを展開していた中、1000Sをベースとした限定モデル「ポールスマート1000LE」が2000台限定で販売された。本稿ではポールスマート1000LE実車についてレビューする。

そもそもポールスマートとは

1943年イギリス生まれのレーサーで、1970年代に活躍。1972年にはドゥカティ750レーサーに乗りイモラ200で優勝。その後カワサキやスズキのチームで各種レースに参加した。2021年にバイク事故で没。享年78歳。

というイギリス人レーサーの名前で、本モデルは1972年の優勝を記念したモデルという事になる。LEはLimited Editionの意。

■スペック

モデル名:ポールスマート1000LE
メーカー:ドゥカティ
生産年:2006
エンジン:V型2気筒
排気量:992cc
重量:190kg
最高速度:200km/h以上
馬力:83ps

あらゆる面で限定車の名に相応しい仕様となっているのがこのバイク。

上記画像の通りデフォルトでシングルシートとなっており、積載性などは皆無。ハンドルポジションも後述する通り非常にスパルタンなものになっており、クラシック風でありつつ走りに特化したかなり過激なセッティングとなっている。

装備面も一通り現代的なアッセンブリとなっている。外観は言うまでも無くクラシック、そして走りまでも快適性皆無のクラシックな設定ながら、装備自体は現代風と言うことで魂までもがクラシックなネオクラシックバイク、と言う事も出来なくもない。

例えばタイヤは前後17インチのスポークタイヤでありつつサスペンション周りはOHLINS製、メーターも油温などはデジタル表示と全てがクラシックという訳では無い。

100kmを超える走行は身体的負荷が極めて高い

前述した通り、本機体はスポーククラシックということでかなり前傾姿勢がキツく、また現代の乗り手に優しいスーパースポーツなどに慣れていると動作がキツい局面がいくつか存在する。

シート高に関しては、825mmとやや高めに感じるがVツインエンジンかつハーフカウルマシンということで足つきは良好。シートに跨ると非常にキュッとした印象を受ける。またハンドリングに関しても190kgという軽量という事もあり、かなり良好。ブレーキも普通に効く(ここは流石に現代マシンレベル)なので安心して運転できる。エンジンも多少慣れが必要なものの、大排気量ツインという事で低速域はパワフル。

とは言え、普通に乗るとハンドルが低い為前傾にならざるを得ず、長距離ツーリングは腰に爆弾を抱えることになる事必須。クラッチやブレーキ系も多分に漏れず硬く、何ならアクセルも硬い。シートはシングル仕様なので、大きく安定感がある。

他難点は、やはりイタリア車のクラシックモデルという点。

例えばミラーは純正状態で低速域(100km以下)は振動が激しくブレが大きい。また回転数が落ち着くまでアイドリングが実質必要だったり、各種パーツの噛み合わせが微妙に悪かったりと如何にもイタリア工業製品という感が強い。

とは言え、エンジン始動時の明らかに大きい音、ツインならではの加速感、唯一無二・他のネオクラ系とは一線を画すルックスなど限定モデルに相応しい完成度を感じる事が出来る。

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