X-37Bがまたまた宇宙へ
2023年12月29日、米軍のX-37Bが7回目のミッションでフロリダのKSCからSpaceXのファルコンヘビーで打ち上げられた。X-37Bはスペースシャトル型の地球往還機で、無人だ。2010年に登場して以来、コンスタントに宇宙で運用されており、約1年前まで2年半の軌道上ミッションに従事していた。
打ち上げのタイミングとしては、3回目となる中国が進めている同様の無人機プログラム「神龍」の、長征2Fでの軌道周回ミッション打ち上げから2週間後と、この分野での米中宇宙競争もにわかに表面化しつつある。
X-37Bを大型化してペイロード人間を詰め込む、というような話もある中、改めて一度は廃れてしまった「再利用型宇宙船」についてペーパープラン中心に振り返ってみたい。
ボーイング X-20 ダイナソア
1950年代、東西冷戦が激化する中アメリカが発案したのは、軌道上から敵国偵察をおこなってしまおうという発想で計画された宇宙往還機。計画が推し進められた時代としては、1957年から運用開始されたU2が1960年に撃墜され、国防総省内でも代替案が検討され始めた時期と重なる。
アポロ計画が達成されたと同時にスペースシャトル計画が始まったので、言わばスペースシャトルの前段階と言えなくもない。現在は広く情報公開され、博物館でも一般的な展示として扱われており、内容についてはよく知られている。
最終的にはマーキュリー計画やジェミニ計画が平行して進んでおり、費用対効果の観点から特にロバート・マクナマラから目を付けられれ計画凍結となった。
cosmos1445
ソ連版ミニシャトル計画についても思い返したい。(画像は後継版)
これは先に紹介したX20ダイナソアの情報を基にソ連がコピーしたものとされ、米国からは「スパイラル・スペースプレーン」と呼称されている。また実際に打ち上げられ、地球を周回もしている。
耐熱シールドなどの検証が行われたようだ。
HOPE-X
ご存知NASDAの忘れ形見。
エネルギア ブラン
ブランについては、筆者が実際にモックアップ及び実機をロシアにおいて取材した為いずれ本サイトにて詳細を紹介したい。
Dream Chaser
SNC(シエラネバダコーポレーション)によって開発が継続中のミニ・スペースシャトルとでも言うべき宇宙船。
2023年11月2日に初号機が完成したと報じられ、長い開発期間から一気に表舞台にこれから出てくることが予想される。初号機は「Tenacity」と命名。打ち上げはULAのヴァルカン2号機と、本年度中の可能性が高い。
なおドリームチェイサーのアジア拠点として大分空港が参画しており、大分に宇宙船が着陸することも割りと現実味を帯びてきた状況である。
Fanstream SSBJ
Su-34をベースにした商用往還機。ロシアの現状としては、完全に白紙になった可能性が高い。
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